千葉都市モノレール1000形電車
千葉都市モノレール1000形電車 | |
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千葉都市モノレール1000形電車 | |
基本情報 | |
製造所 | 三菱重工業 |
主要諸元 | |
編成 | 2両編成 |
電気方式 | 直流 1500 V |
設計最高速度 | 65 km/h |
起動加速度 | 3.5 km/h/s |
減速度(常用) | 3.5 km/h/s |
減速度(非常) | 4.5 km/h/s |
車両定員 |
79[84]人(座席42[39]人、立席37[45]人) ※[]内は2次車 - 4次車 |
車両重量 | 21.5 t |
全長 | 14,800(車体長)mm |
台車 | ゴムタイヤ空気ばね式 2軸台車 |
主電動機 |
三菱電機製 低騒音型 補極付き 直流直巻電動機 MB-3292-A |
主電動機出力 | 65 kW |
駆動方式 |
差動歯車付き 1段減速直角駆動方式 |
歯車比 | 6.833 |
制御方式 | 電動カム軸式抵抗制御(弱め界磁、発電ブレーキ付き) |
制御装置 | EM-17AS-44 |
制動装置 | 電気指令式直通電気ブレーキ、電空切替式、保安ブレーキ、駐車ブレーキ |
保安装置 | ATC |
千葉都市モノレール1000形電車(ちばとしモノレール1000がたでんしゃ)は、千葉都市モノレールの懸垂式モノレール車両[1]。製造は三菱重工業が担当した。
概要[編集]
同社線が開業した1988年(昭和63年)3月から営業運転を開始、路線の延長とともに増備され、計20編成40両が製造された[1][2]。湘南モノレール400形電車をベースにしている。
車体[編集]
アルミ軽合金製・不燃化構造の車体で、シルバーをベースに、コバルトブルーとスカイブルーのラインカラーを配する[1]。2次車以降は車体表面に銀色の塗装が施されるようになった。2017年より省力化のため塗装を行わず銀色のラッピング (ブルーラインはカッティングシートで施工)が行われている。
3次車以降は、前面の行先表示器は字幕式からLED式とされ、新たに側面にもLED式の行先表示器が設置されたほか、2編成を連結し4両編成として運行するために電気連結器が搭載されている。客用ドアは両開き式で、1車両で片側2か所に設けられている。4次車(第18 - 20編成)はヘッドマーク取り付け対応改造が施工されている。
車内[編集]
座席は全席モケット張りのロングシートで、網棚は設けていない[1]。冷暖房を装備しており、1・2次車と3・4次車では、冷房の吹き出し口の数が変更されている。
4次車では車椅子スペースが設けられ、2・3次車にも改造により設けられた。
それぞれの車両の連結面には貫通扉が設置されているが、急カーブ区間走行中に通行すると危険であるため、扉には「非常の場合以外はとおらないで下さい」「Emergency Only」のプレートが貼付されており、先頭車と後尾車を非常時以外行き来しないよう案内されている。
沿革[編集]
- 1988年 - 千葉都市モノレール2号線一次開業にあわせ、1次車8編成を導入し営業運転開始。
- 1991年 - 二次開業にあわせ、2次車4編成を導入し営業運転開始。
- 1993年 - 千葉都市モノレール1号線一次開業にさきだち、3次車5編成を導入し営業運転開始。
- 1999年 - 現行線全線開業にあわせ、4次車3編成を導入し営業運転開始。
- 2007年 - ダイヤ修正により必要編成数が削減、1次車のうち余剰となった編成を順次廃車。
- 2012年 - 2015年 - 新型車両0形5次車4編成の営業運転開始により、この年までに1次車が全廃。
- 2019年 - 2020年 - 0形6次車4編成の営業運転開始により、2次車が全廃。
運用[編集]
2両固定編成だが、中間電動車2両を増結して4両編成にできるよう設計されている[1]。また、通勤時間帯や臨時列車では2編成 (電気連結器のある、3次車以降同士) 連結の4両編成で運転した実績がある。
初期に製造された1次車は登場から20年程が経過したことから、2015年8月までに全車が運用を終了した。
2次車についても製造から30年近く経過し老朽化していたため、2019年12月以降0形6次車により置き換えを進め、2020年9月までに運用を終了した。
3 - 4次車については更新工事により改正省令に適合させたうえで運用が続いているが、2022年より順次0形に置き換え、2028年までに全編成が運用を終了する予定であることが発表されている[3][4]。
保存車両[編集]
- 第1編成の1001号車は、千葉都市モノレールの第1号車であることから、萩台車両基地で静態保存されている。それまでは、2007年2月に廃車された1015号車が保存されていた。
- 第2編成(1003・1004)は、夷隅農場ポッポの丘(千葉県いすみ市)で車体のみが保存・展示されている。また、台車も展示されている(2台のみ)。車内には、運行当時の写真とポッポの丘までの輸送時の写真が展示されている。
- 第1編成1002号車と第8編成1015号車は、栃木県那須烏山市の那珂川清流鉄道保存会で懸垂状態で静態保存されている。一部部品が取り外されている。
- 第5編成(1009・1010)は、静岡県焼津市で食堂として使用されている。
- 2015年10月17日に開催された「ちばモノレール祭り2015」の会場において、第6編成(1011・1012)が1両35万円(税込、送料別)で展示販売され[5]、美浜区の幼稚園と松戸市の昭和の杜博物館が購入した[6]。
脚注[編集]
出典[編集]
- ^ a b c d e 『鉄道ジャーナル』第21巻第10号、鉄道ジャーナル社、1987年8月、109, 111-112頁。
- ^ “車両紹介”. 千葉都市モノレール. 2022年1月1日閲覧。 アーカイブ 2021年8月28日 - ウェイバックマシン
- ^ “千葉都市モノレール 未来への取組み 〜低炭素化社会への貢献と持続する公共交通であるために〜” (PDF). 千葉都市モノレール. 2021年8月28日閲覧。 アーカイブ 2022年6月26日 - ウェイバックマシン
- ^ “千葉都市モノレール 路線および区間全体の省CO2化計画” (PDF). 千葉市. 2021年8月28日閲覧。 アーカイブ 2021年8月28日 - ウェイバックマシン
- ^ 「廃車モノレールお買い得? 1両35万円、ただし送料別」『朝日新聞デジタル』、2015年10月24日。オリジナルの2015年10月25日時点におけるアーカイブ。
- ^ “千葉モノレール廃車車両の譲渡先が決定しました”. 千葉都市モノレール (2016年2月25日). 2016年3月24日閲覧。 アーカイブ 2016年4月1日 - ウェイバックマシン
外部リンク[編集]