オオタカネバラ

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オオタカネバラ
福島県会津地方 2010年6月
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : バラ亜綱 Rosidae
: バラ目 Rosales
: バラ科 Rosaceae
亜科 : バラ亜科 Rosoideae
: バラ属 Rosa
: オオタカネバラ R. acicularis
学名
Rosa acicularis Lindl. (1820)[1]
シノニム
和名
オオタカネバラ(大高嶺薔薇)

オオタカネバラ(大高嶺薔薇、学名: Rosa acicularis)は、バラ科バラ属落葉低木タカネバラの近縁種。別名、オオタカネイバラ[1]中国名は、刺薔薇[1]。姿はカラフトイバラや日本特産のタカネバラに似るが、日本の中北部のほか、北米、ヨーロッパにも分布する[3]

特徴[編集]

樹高は1 - 1.5メートル (m) になり、はよく分枝する。枝には帯白色の針が多生する。托葉は幅広く、耳片の先端は尖る。奇数羽状複葉で、5 - 7個の小葉からなる。小葉は、長さ約6.5センチメートル (cm) 、幅約3.5 cmと大きく、小柄をもち、長楕円形から楕円形になる。頂小葉の先端は鋭頭、側小葉はやや鈍頭になり、縁にはややあらい鋸歯があり、葉の羽軸に腺と小刺がある。

花期は6 - 7月。小枝の先端に1個、あるいは2個のをつける。花の径は4 - 5 cm、紅紫色の5弁花で多数の黄色い雄蕊がある。小花柄は長さ約3 cmあり、細い刺が疎生する。果実は長さ2 cmの倒卵状狭紡錘形になり、黄赤色に熟す。

分布と生育環境[編集]

日本では、北海道本州中北部の日本海側に分布し、高山帯亜高山帯や冷気が吹き出す風穴地に生育する。周北極要素として北米ユーラシアヨーロッパの高緯度地域に分布し、アジアでは、樺太朝鮮北部、中国東北部シベリアカムチャツカに分布する。

利用[編集]

スイスでは、花からハーゲブッテン・コンフィテューレというジャムが作られる[3]

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rosa acicularis Lindl. オオタカネバラ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年6月4日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rosa suavis auct. non Willd. オオタカネバラ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年6月4日閲覧。
  3. ^ a b 辻井達一『続・日本の樹木』中央公論新社〈中公新書〉、2006年2月25日、85頁。ISBN 4-12-101834-6 

参考文献[編集]

  • 佐竹義輔ほか編『日本の野生植物 木本Ⅰ』平凡社、1989年。