オリエンタル・マグネチック・イエロー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
OMYから転送)

オリエンタル・マグネチック・イエロー(Oriental Magnetic Yellow / OMY)は、ゲーム音楽作曲者たちで結成された、テクノと呼ばれる音楽を演奏する日本の音楽グループである。

概要[編集]

メンバーは当時ナムコに勤務していた、細野江晴臣(細江慎治)、佐野本龍一(佐野信義)、相原隆幸宏(相原隆行)、佐々武秀樹(佐々木宏人)の4人。彼らの音楽はしばしば「YMOパロディオマージュ」と呼ばれることもある。

1994年トルバドールレコードより発売された1stアルバム(メジャーリリース時は2ndアルバム)『SONIC SKATE SURVEYOR』は、YMOをモチーフにしたオリジナル楽曲を収録していたが、2ndアルバム(メジャーリリース時は1stアルバム)『ORIENTAL MAGNETIC YELLOW』からは、YMOのオリジナル楽曲のメロディやアレンジをパロディにした楽曲を収録している。

演奏面では本家ではシーケンサーはタンス(モーグ・シンセサイザー)を使用していたが、OMYではタンスと箪笥をかけて「noog」と書かれた箪笥が置かれている。その代わりに音はノートパソコンで演奏されている。ボーカルは本家のようなドラムと兼任して歌うのではなく、キーボードの佐野本が歌う形になっている。

1996年ポニー・キャニオンサイトロン・レーベルよりメジャー・デビューし、すでに発売されていた自主レーベルからのアルバムが全国流通となった。また、ゲームサウンドクリエイターが参加したということで、発売ごとに『マイコンBASICマガジン』(電波新聞社)のゲームミュージックコーナーでも紹介されていた。1997年6月21日には、本家の「ウィンター・ライヴ1981」に対抗するように「サマー・ライヴ」を渋谷ON AIR EASTで開催。

2001年にアルバム『弱気なぼくら / NERVOUS』を発売して以降は主だった活動をしていない(「閑散」した)。

2010年7月頃、Twitter上でメンバー達が再び交流し、複数人で新たに楽曲が作られTwitter等のアカウントも作成されるなどの動きを見せていたが、立ち消えになっている。

BGMにYMOの「RYDEEN」を使用していたアーケードゲームスーパーロコモーティブ』が2022年10月27日発売のメガドライブ ミニ2に移植された際、BGMがOMYの「RYZEEN」に差し替えられることが発表された。

結成30周年となる2024年、長らく廃盤状態であった6作品がCASSETRONレーベルより3月20日に再発売された。すべての楽曲が細江慎治の手によってリマスタリングされている。

また、3月24日にディスクユニオンROCK in TOKYOで行われた再発記念イベント内で、再始動が宣言された[1]

ディスコグラフィ[編集]

  リリース タイトル 規格 レーベル 規格品番 収録曲 備考
1 1994年8月
1997年1月18日(再発)
SONIC SKATE SURVAYOR 12cmCD トルバドールレコード
ポニーキャニオン(再発)
TTRC-8
PCCB-243(再発)
  1. VOLLEY
  2. MUD MORNING
  3. PUNISHMENT
  4. EAST WEST
  5. GAIA TERMINATION
  6. FAMILY PLANS
  7. RADIOACTIVE
  8. MISS
  9. LOUGE
  10. 1,000 KNIGHTS
タイトルおよびジャケットは『SOLID STATE SURVIVOR』のパロディだが内容はオリジナル色が強い。
2 1995年8月
1996年12月16日(再発)
ORIENTAL MAGNETIC YELLOW 12cmCD トルバドールレコード
ポニーキャニオン(再発)
TTRC-10
PCCB-235(再発)
  1. ARCADE GAME
  2. FIBER CRACKER
  3. NAMOON
  4. MAGNETIC YELLOW(SHANG POO)
  5. LA FEMME BLONDINE
  6. GOOD PIERROT
  7. TECHNOPOLISH
  8. RYZEEN
  9. SOMNIFEROUS
  10. BEYOND THE MUSCLE
  11. GAY STRIPPER
  12. CAFETERIA
  13. SONIC SKATE SURVEYOR
前半6曲は『YELLOW MAGIC ORCHESTRA』、後半7曲は『SOLID STATE SURVIVOR』収録曲のパロディ。
3 1996年8月
1997年2月21日(再発)
×0BREEDS 養殖 12cmCD トルバドールレコード
ポニーキャニオン(再発)
TTRC-15
PCCB-246(再発)

[Breeding side]

  1. Jingle "O.M.Y."
  2. Rice Age
  3. Tighten nap
  4. Cetaceans of saizance
  5. MaruhiPLAY's

[Personal Pleasure side]

  1. Shang poo
  2. Ryzeen
  3. Beyond the mustle
  4. Gay stripper
  5. Sonic skate surveyor
  6. Technopolish
  7. Fiber cracker
前半5曲(BREEDING SIDE)は『×∞MULTIPLIES 増殖』収録曲のパロディ、後半7曲(PERSONAL PLEASURE SIDE)は『PUBLIC PRESSURE』をパロディ化したライブ収録であり、そのためギタートラックがミュートされている。インディーズ盤には「OMY」と赤いスタンプの押された段ボール片が封入されていた。
4 1997年6月18日 TECHNODERUCK 12cmCD サイトロン・レーベル PCCB-265
  1. ガム(PURE GUM)
  2. 新箪笥(NEUE TANS)
  3. 回覧(CIRCULATION)
  4. ハッピー音頭(HAPPY ONDO)
  5. 京浜音楽(KEIHIN MUSIC)
  6. 漁火(FISHING LIGHT IN DARKNESS)
  7. 税金(DUE)
  8. 退職(TAISHOKU)
  9. 手探り(GROPE)
  10. ムール(MOOL)
BGM』および『TECHNODELIC』収録曲のパロディ。『BGM』の楽曲は3曲に留まっている。
5 1999年9月17日 O.M.Y. SOLO WORKS 12cmCD サイトロン・デジタルコンテンツ PCCB-392
  1. おにのパンツ
  2. SPOKES MEN
  3. HACHI
  4. PHOTON SEE
  5. ぼくのかつら
  6. PILOT IN LAOS
  7. DRIP DRY ICE
  8. DISASSEMBLE LAB
  9. FOOL COLOR WALKER
  10. 次世代機-閉めろフタ-
  11. RELATIVE EGO DANCE
  12. COSMETIC THIRTY
YMOメンバー(細野晴臣坂本龍一高橋幸宏)のソロ発表曲のパロディが中心。
ただし細野のソロアルバム『フィルハーモニー』収録の「フニクリ・フニクラ」だけは、演奏を完全コピー・メロディーもそのままで「おにのパンツ」と題し、日本で広く知られる替え歌が歌われている。
5 1999年9月17日 弱気なぼくら/NERVOUS 12cmCD サイトロン・デジタルコンテンツ SCDC-81

[from 弱気なぼくら]

  1. 僕に、胸キュソ。(弱気なバカザンス)
  2. CIRCUS
  3. ¥楽
  4. TORTOISE LIVE
  5. 蚕 KAI-KO

[from NERVOUS]

  1. Vimbo
  2. The Ratmen
  3. Japanese Wrestlers
  4. 異論反論 I've Got An Objection Myself
  5. Widows on the Ground
  6. She-Loses
  7. Retrospective
前半5曲は『浮気なぼくら』、後半7曲は『SERVICE』収録曲のパロディ。ラストにはS.E.T.コントのパロディも収録。

2024年3月20日に、全作品がCASSETRONレーベルから再発された(規格品番:CTN-30~35)。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 【ROCK in TOKYO】3/24(日)O.M.Y. リリース記念トークショー&サイン会開催!”. diskunion ROCK in TOKYO (2024年3月24日). 2024年3月24日閲覧。

外部リンク[編集]